パン作りで使用する多くの小麦粉は、海外からの輸入に頼りがちですが、国内においても、北海道を中心とした地域でパン作りに適した小麦が栽培されています。
小麦が輸入に頼りがちな食品である理由としては、主に国土の広さにあります。アメリカやカナダ、オーストラリアなどの輸出大国と比較すると、国内での栽培面積は非常に狭いです。そのため、国内での収穫量は少なく、その影響から、「収穫地」や「収穫時期」によっては、小麦粉の品質や性質に違いが生じてきます。
本記事では、国産パン用小麦粉である「春よ恋」をご紹介いたします。 こちらは、私のお気に入りの小麦粉の1つです。
春よ恋
食の安心安全の観点からも、国内産小麦の需要は高いです。しかしながら、一般的な国内産小麦は、輸入品と比較すると蛋白含有量は低く、製パン性が劣り、ボリュームの出にくいパンが焼き上がる傾向にあります。
そんな中、本記事で紹介する「春よ恋」は、北海道の春まき小麦で、蛋白含有量が高く、製パン性に優れた小麦粉です。
それでは、春よ恋の魅力と特徴を理解し、今後のパン作りに役立てていきましょう。
春よ恋の誕生について
ここでは、春よ恋の誕生について簡単に見ていきましょう。「春よ恋」は、「ハルユタカ」を母に、「Stoa」 を父として交配し誕生した後継品種です。
ハルユタカは、北海道産のパン用小麦としてとても人気の高い小麦です。しかしながら、春に種をまくハルユタカは、秋に種をまく小麦と比べると天候に左右されやすく、病気や障害に弱いため、生産が不安定で、収量が低く栽培が難しい品種でした。
そこで、ハルユタカの強みを活かしながら、弱点を克服して誕生したのが、春まき小麦の「春よ恋」です。
春よ恋の基準値
■蛋白12.0±1.0%
■灰分0.45±0.05%
春よ恋の特徴について
製パン性の高さから人気の高い「春よ恋」の特徴を理解するために、「ハルユタカ」との違いを項目別に比較して、見ていきましょう。
春よ恋の特徴
- 製パン性
- 吸水性
- 窯伸び
- 製粉歩留
- アミログラム
- 食感
- 収量
- 外観品質
- 耐病性
・作業性は、「ハルユタカ」と同等。
・「ハルユタカ」よりやや劣る。
・「ハルユタカ」よりやや優れる。
・「ハルユタカ」よりやや低い。
・最高粘度は、「ハルユタカ」より高く、
低アミロになりにくい。
・「ハルユタカ」よりもちもち感が強い。
・「ハルユタカ」より多収。
・「ハルユタカ」より優れる。
・うどんこ病、赤かび病抵抗性は、
「ハルユタカ」より優れる。
・赤さび病の発生は、
「ハルユタカ」と同じくらい。
春よ恋におすすめのパン
ここからは、春よ恋の特徴を生かした、おすすめのパンをご紹介します。
北海道産小麦である「春よ恋」は、豊かな風味を味わうことができます。また、ハルユタカの製パン性を受け継ぎながら、もちもち感が強く、窯伸びの良い小麦粉です。そのため、シンプルな配合で小麦粉本来の香りを楽しむ「食パン」や「バゲット」に最適です。
そして、作業性にも優れている小麦粉であることから、パン作り初心者の方にも、おすすめの小麦粉です。日本人好みの「もちもち・しっとり」としていて、独特の甘みのあるとてもおいしいパンが焼き上がります。
もちもち感を活かした、「ベーグル」や「カレーパン」、「ピザ」にも、非常に相性がいいです。ぜひ、試してみてください。
購入方法について
ご家庭で使用する際、まず前提として、必要な時に、必要な量を、購入することを強くおすすめします。
最近では、手軽に、インターネットで手に入れることができます。インターネット検索すると、1kgや2.5kg、5kg、25kgなど、様々な内容量で販売されています。
この中から、業務用(299円/kg当り)としての25kgを、 Amazonや楽天などのインターネットショップで「春よ恋25kg(春よ恋100%)【平和製粉】」などと検索して購入する方法が一番安く手に入りますが、 ご家庭で25kgすべてを消費するには量が多すぎます。せっかく手に入れた良質な小麦粉もすべてを使い切る頃には、品質が劣化してしまいます。
メモ
小麦粉を質の良い状態で使い切るには、
6ヶ月が目安です。
そのため、下記にある一覧表を参考に、小分けされた小麦粉を、「Amazon」や「楽天」または、「TOMIZ(富澤商店)オンラインショップ」「お菓子・パン作りの総合サイトcotta」等で必要量を購入することをおすすめします。
価格比較してみました
内容量 | 近所 スーパー |
Amazon | 富澤商店 オンライン TOMIZ |
春よ恋 800g | 615円 (768円/kg当り) |
543円 (679円/kg当り) |
取扱いなし |
春よ恋 1kg | 取扱いなし | 664円 (664円/kg当り) |
604円 (604円/kg当り) |
取扱いなし | 1,782円 (713円/kg当り) |
1,296円 (518円/kg当り) |
取扱いなし | 2,851円 (570円/kg当り) |
2,592円 (518円/kg当り) |
※比較価格は、2022年10月6日時点の価格です
※別途送料が必要な場合がございます
※左列は、Amazonへのリンクです
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介したのは、私が特におすすめしたい国内産(北海道)パン用小麦の「春よ恋」でした。「春よ恋」の魅力は、充分に伝わったでしょうか?
小麦粉の特徴を理解してパン作りを行うことで、ワンランク上の楽しみ方ができると考えています。
今後も引き続き、役立つ情報を発信していきますのでどうぞよろしくお願いします。今回は、以上です。
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