「良質」で「安定的」なパンを作るためには、使用する材料を正確に計量する必要があります。また、計量には、「正確性」と合わせて、「スピード感」が求められます。
ではどうして、計量には「スピード感」までが必要となるのでしょうか?
本記事では、その理由について解説していきますので、内容を理解して、今後のパン作りに活かしていきましょう。
計量にスピード感が必要な理由
それでは、「正確性のある、スピード感」が求められる理由について見ていきましょう。
「スピード感」が求められるのは、下記のような理由が考えられます。
計量にスピード感が必要な理由
理由1
【時間短縮】
発酵や焼成などにかかる時間は、ある程度決まっています。そのため、基本的には時間の調整が難しいです。しかしながら、計量にかかる時間は短縮することが出来ます。効率の良い手順を考え、作業の環境を整え、意識高く行なえば、『短縮可能な時間』となります。その結果、労働時間の短縮にも有効的です。
理由2
【工程管理が容易】
時間配分を考えたスムーズな作業の流れは、工程の管理が行ないやすくなります。逆を言うと、途中の計量時間のもたつきが、後に続く工程のすべてに影響を与えます。
理由3
【材料を適正な状態に保つ】
計量する材料の中には、温度管理が必要なものもあります。例えば、冷凍や冷蔵管理が必要なパン酵母や、室温に戻す必要のある油脂類などが挙げられます。計量の順番を計画的に行なうことで、時間ロスを軽減することが出来ます。
理由4
【パン酵母は活きている】
生地中に存在するパン酵母は、一定の条件下で発酵を続けます。良質なパンづくりを行なう上では、適正な生地発酵状態を保つことが望ましいです。作業に必要以上の時間をかけることで、発酵過多となり、生地の弾性を失い、ガスが抜けてしぼんでしまう原因にもつながります。
上記には、計量にスピード感が必要な理由についていくつかの例に挙げました。
上記の例を参考にして、自身の作業について振り返ってみましょう。どのようにすれば、最適な計量が行えるかを一度考えることで、 新たな気付きが生まれるかも知れません。
パン作りに最適な秤(はかり)
ここからは、最適なパン作りに欠かすことの出来ない、秤(はかり)についてみていきましょう。
mg単位の微量を量るものから、10kg以上の重量を量るものまで、必要とされる秤の種類が異なります。これらの秤 (はかり) は、構造や感度にも違いがあることから、用途に応じて使い分ける必要があります。
パン屋さんやパン工場では、下記のように、用途に応じた使い分けをしています。
重たいものを量る場合
パンやお菓子作りにおいてさまざまな材料を使用します。 配合する主な原材料(小麦粉や水など)は、10kg以上の重量になる場合があります。 そのような時に使用する秤(はかり)は、台や台座が大きく、安定しているものを選ぶようにします。
ここでは、下記の2種類の秤(はかり)をご紹介させていただきます。
軽いものを量る場合
パン生地作りで使用する、 塩やパン酵母(イースト)、各種生地改良材(イーストフード)などは少量で使われることが多いです。そのような時には、少量の材料を計量する小型の秤(はかり)を使います。
ここでは、場所をとらず、軽くて持ち運びがしやすい、使い勝手の良い秤(はかり)を2種類ご紹介させていただきます。
この2種類の秤(はかり)は、最小表示0.1gで量ることが出来るので、少量の材料をより正確に計量することが出来ます。
竿秤(さおばかり)
最近では、デジタル秤を使う人も増えていますが、竿秤(さおばかり)の方が分割時にかかるスピードは速いです。
ご家庭で使われる機会は少ないですが、現場のパン屋さんで使われることが多いことから、本記事でもご紹介をさせていただきます。
上記にいくつかの秤をご紹介いたしましたが、どの秤を選べばいいか分からないという方は、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
本記事では、計量は、「正確性のある、スピード感」が求められるということと、パン作りに最適な秤(はかり)についてお伝えさせていただきました。
誰でもはじめは慣れないこともあり、体や頭がついていかないこともあるかもしれません。しかしながら、どうぞご安心ください。日々の繰り返しや、意識的に計量の順番や環境を変化させることで新たな気付きがあり、改善に大きく役立つときが来ます。
今後も、試行錯誤しながら、「素敵なパン作り生活」をお楽しみください。
関連おすすめ記事【パン酵母】パン酵母を理解する